学生が見る 県内企業のD&I 2024



 
 ●会社設立  1955年
 ●本社所在地  茨城県牛久市さくら台1-18-4
 ●事業概要  土木・舗装工事業
 ●HP  https://katsura-k.com/
 ●SNS  

 

 
 
■ 人材育成チームを結成!  定期的な社員面談などにより離職率低下
 2020年頃に若手社員4名が一度に退職し、社員の日々の気持ちの変化に気づくことの必要性を感じ、「人材育成チーム」を立ち上げました。人材育成チームは、現場監督、事務、営業の各部門で、普段から若手社員と接している育成担当者で構成しています。人材育成チームでは、入社して5年目までの社員に対し定期的な面談を、5年目以降の社員に対しては希望制での面談を行っています。面談で聞きとった社員の悩みや要望などをもとに、仕事の幅を広げるための資格の取得支援を行ったり、男女問わず子の看護休暇、介護休暇を有給で支給するようにしたりしました。社員の意見をもとに、働きやすい職場環境づくりを進めたことで、離職率は大幅に減少しました。また、社員も、自分の声が経営層に届くことを実感したことで、社員みんなが意見を言える雰囲気になってきています。
 新入社員の採用面接も、以前は経営層が行っていましたが、現在は人材育成チームが行っています。実際に採用面接を担当したり、月に1度のチームメンバーによる定例会で各部門の活動や求人の厳しい状況を知ったりすることで、新人をみんなで育成しようという意識が生まれ、若手社員の育成に今まで以上に力を入れることができるようになりました。
 
 
■ICT課を新設! ドローンの導入など会社全体のDX推進を女性が担う
 桂建設では、生産性向上や人材確保、働き方改革などの課題解決の手段として必要不可欠である、ICTの活用によるDXの推進に力を入れています。例えば、ドローンによる測量や、3Dスキャナーによる3Dデータ活用の内製化などを進めています。ICTの活用について、以前は、現場監督がそれぞれの現場ごとに行っていましたが、会社全体での知識向上及び取り組みの促進のため、専門部署としてICT課(※1)を新設しました。メンバーは女性社員2名で、外部の研修会に参加するなどして学び、会社全体でのICT活用を推進しています。
 DX推進の中心を女性が担うなど、桂建設では、女性活躍の推進にも積極的に取り組んでいます。くるみん認定(※2)を取得して、会社全体で子育て中の社員を支えています。子どもの対応などで急な休みを取るときでも、休暇を取りやすい雰囲気ができたため、子育て中の社員の働きやすさにつながっています。また、事務職だけでなく、現場監督や、建設ディレクター(※3)として活躍している女性社員もいます。これらの取り組みや成果について、HPやSNS等で発信することにより、女性社員の増加にもつながっています。このような様々な取り組みを進めることにより、"建設業の3K"のイメージや、”建設業=男性の仕事”、というイメージを変え、女性や若手社員も含めた誰もが働きやすい職場環境を目指しています。
(※1)ICT課:2024年12月時点で、「DX推進チーム」に改称されており、メンバーも女性社員4名、男性社員3名に増加。
(※2)くるみん認定:一定の認定基準を満たした場合に、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣から受ける認定。
(※3)建設ディレクター: 工事施工に係るデータの整理及び処理、提出書類の作成などのバックオフィスの仕事を行う。桂建設では、現場監督の残業時間の削減につながっている。

大部 楓華さん
 
 今回の取材を通して、業界の変化について理解することの大切さを学びました。取材先は建設業界ということで、女性が少ない、仕事がきつい(いわゆる3K)のイメージがありました。しかし実際の労働環境は女性も育児休暇を取得しながら働くことができ、機械化による仕事の負担軽減も行われていました。今まで人が行っていた現場作業ではドローンを用いたり、現場での書類報告作業を行ったり、女性がより働きやすい環境が整っていました。桂建設株式会社さんの社長にお話をお伺いしたところ、以前に比べて女性が建築の場面で活躍する機会がずっと増えているとのことでした。また桂建設株式会社さんでは、人材育成チームを作り、一人ひとりの日々の心の変化にも向き合うことで、離職率の低下、働きやすい環境作りを行っているそうです。この業界の変化を私たち若年労働者が理解し、そのうえで職業選択を行うべきだと感じました。業界が変化してもそこに次世代の労働者が集まらなければ、発展していくことは難しいと思います。受け身の姿勢になりすぎず、自分から情勢をキャッチしていくことが私たち若年労働者の行うべきことだと感じました。

 

根本 彩耶さん
 桂建設さんは女性を多く採用することを目指されており、女性が働きやすい職場づくりに取り組まれています。私は今まで、なぜダイバーシティが社会に必要なのか感じることができていなかったのですが、本取材で女性を多く採用するメリットがわかりました。女性のほうが男性よりも細かい仕事をきれいにこなすことができる等の特性があり、女性の特質を活かせる職種を増やすようにしているとお聞きしました。また、建設現場は男性が多いですがそこに女性が加わると、雰囲気が柔らかくなると伺いました。
 このように、女性を採用することにより職場がより良いものになることを知り、今後物事に取り組む際には人の特性を活かした役割決め等をしてみたいと思いました。また、離職率の低減を目的として人材育成チームを立ち上げ、新入社員に対して定期的に個人面談をするという取り組みや、家族に仕事を理解してもらうため、子どもに親の仕事場を見学してもらう会を開いたりしていると伺いました。私も離職率の低減を目的とした活動をしており、子どもたちに技術職を知ってもらうことを目指していますが、親の仕事を知って理解を深めるという視点は持っていなかったため、家族のことを理解するという視点で企画等を考えてみたいと思いました。