D&Iコンサルティング2025

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12 昭和産業株式会社
 
支援テーマ:社員の状況把握・意識改革
実施タイプ: 3回コース


「管理職に無理をさせない1on1モデル」の
確立による現場理解の醸成
設 立 1964年8月
本社所在地 筑西市  
代表者 代表取締役 小林 正樹
業 種 建材製造業(溶接金網・鉄筋加工品)
H P https://www.showasangyo.co.jp/
従業員数 192名
▶人手不足時代の建設現場を支える製品づくり
 ビル・マンション、公共インフラ、河川・治山、防獣対策などの建設・土木工事向けに、溶接金網や鉄筋加工品を製造しています。
施工現場の人手不足や高齢化が進む中、当社製品は施工負担の軽減や品質の安定に貢献しています。コンクリート内部など目に触れない部分から建設現場を支えることが、私たちの役割です。
 

 
コンサルティングの経過

1.概要

2.コンサルティング内容
実施日
1回目:2025年11月12日(水)
2回目:2025年12月9日(火)
3回目:2026年2月7日(土)

 

課題
 
◆社員構成の多様化が進む一方で、世代・立場を越えた対話の機会が減少し、コミュニケーション上のすれ違いや認識のズレが生じやすい状況にあった。
◆社員・管理職ともに関わり方に迷いが生じ、職場の安心感や若手の定着に課題が見られていた。

取組
 
◆昭和産業の実態に即した「昭和産業版1on1モデル」の設計
・「トリセツ」※を軸とした管理職と社員の対話の仕組みづくり
・管理職が無理なく関われる臨時1on1の考え方と進め方の整理

成果
 
◆「管理職に無理をさせない1on1モデル」の確立と、現場理解の醸成


 
昭和産業における1on1導入の背景と目的の整理
 昭和産業における人材の多様化や、世代・立場を越えた自然な対話機会の減少を踏まえ、若手・中途・シニアそれぞれが置かれている状況や感じ方の違いを整理した。その上で、1on1を単なる面談施策ではなく、社員の育成や定着を支えるための仕組みとして位置づけを見直し、導入の目的と意義を明確にした。

 「昭和産業版1on1モデル」の設計
 人材開発室が面談を実施して作成した「トリセツ」を活用して、管理職が現場での臨時1on1を行う「二階建てモデル」を軸に、昭和産業の実態に即した1on1の全体像を設計した。あわせて、社員版「トリセツ」および管理職版「トリセツ」を整備し、管理職が一人で抱え込まずに対応できる連携構造を明確にした。

 管理職向けレクチャーと実践イメージの共有 
 管理職に求める臨時1on1の役割を整理し、日常の中で無理なく行える関わり方を共有した。ケーススタディを用いて具体的な対応イメージを示すとともに、臨時1on1を、困りごとの有無を確認して受け止める程度にとどめる「軽い対話」と位置付けることで、実践への心理的ハードルを下げた。



 
※「トリセツ」:社員個人の基本情報や得意・不得意などを記載した資料。周囲へのお願いや自分が努力することなども記載する。個人の取扱説明書のイメージ。上司と部下が「トリセツ」を交換し相互理解の材料および自己理解と成長確認の材料として活用する。
 
コンサルティングの成果と今後に向けて

■1on1を「続けられる対話の仕組み」として合意形成できた
 
 本コンサルティングを通じて、昭和産業の人材構成や現場環境を踏まえた独自の1on1モデルを整理し、単なる制度や面談施策ではなく、日常の中で機能する「対話の仕組み」として位置づけることができた。
 
 特に、人材開発室と管理職が役割を分担する「二階建てモデル」を明確にしたことで、管理職に過度な負担をかけずに対話を継続できる運用イメージが共有された。

 また、管理職自身が、近年の職場環境や人材の多様化による変化について共通認識を持ち、この課題に対して「一緒に取り組む活動」であるというベクトルで認識を揃えることができた点も大きな成果である。管理職が抱えていた「どこまで踏み込んでよいのか」「評価や指導になってしまわないか」といった不安や迷いを言語化し、困りごとの有無を確認して受け止める程度にとどめる「軽い対話」と位置付けることで、心理的なハードルの軽減につながった。

 その結果、1on1を起点としながらも、最終的には仕組みに頼らず、自然な形で多様性を受け止め、心理的安全性の高い職場をつくっていくという目指す姿について、関係者間で共通理解を形成することができ、今後の実践に向けた土台を築くことができた。

 
■今後の取り組み
◆管理職による臨時1on1の実践
・日常の中での短い声かけ・確認の積み重ね
・困りごとの早期キャッチと人材開発室との連携

◆人材開発室による「トリセツ」運用の継続
・「トリセツ」の作成・更新
・管理職への情報共有と伴走支援

 
 
企業担当者からのコメント


 今回の取り組みは、ダイバーシティを意識した組織づくりを考える良い機会になりました。社員一人ひとりに立場や経験、価値観の違いがあることを前提に、対話のあり方を見直すことの大切さを実感しました。1on1は特別な制度ではなく、日常の延長線上にある対話の積み重ねだと感じています。この取り組みが、会社や職場の風土づくり、そして従業員・管理職それぞれの成長につながっていけばと考えています。


 業務の中で対話の時間を確保することは容易ではなく、考え方を共有するまでには戸惑いもありました。ダイバーシティという言葉を、実際の現場でどう具体化するかは試行錯誤の連続でした。まだ試行段階ではありますが、今後も続けながら自分たちなりの形を築いていきたいと思います。


 

担当者 Y氏



 
 
担当コンサルタントからの総評

ファシリテーションコンサルタント
野村 圭司
 本コンサルティングを通じて、昭和産業株式会社における1on1は、やらなければならない施策や一時的な取り組みではなく、一人ひとりの違いを理解し、誤解を減らし、安心して働ける関係をつくるための対話の仕組みとして再定義されました。1on1を目的化するのではなく、職場の関係性や働きやすさを支える“土台”として捉え直せたことは、本支援の大きな成果であると感じています。

 特に印象的だったのは、人材開発室の皆様が日頃から現場の小さな変化に丁寧に目を向け、「対話があれば人は変わる」「早く気づければ防げることがある」という実感を持っておられた点です。加えて、管理職の皆様もまた、近年の職場環境や人材構成の変化を肌で感じており、「今のままではいけない」「よりよい職場にしていきたい」というベクトルが人材開発室と一致していたことが、強く印象に残りました。

 今後は、運用を重ねる中で言葉ややり方を少しずつ磨きながら、1on1という仕組みを“支え”として活用しつつ、最終的には制度に頼らなくても自然に声をかけ合い、「誰も一人にしない職場づくり」が現場に根づいていくことを期待しています。


 
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